籔内さん 「Internet of Things(モノのインターネット)」の略ですね。さまざまなものをインターネットとつないで、管理したり、制御したりする仕組みのことです。
籔内さん 遠隔地から機械の操作や状態の確認ができるようになります。家電で既に実装されている機能で言えば、帰宅前にエアコンのスイッチを入れておいたり、買い物中に自宅の冷蔵庫の中身を確認したりできるといったことが実現されています。便利でしょ?
片山さん あと、自動車にもIoT技術が応用できると言われていますね。車同士がお互いの目的地を共有しあって車線変更をスムーズに行なったり、信号機とリンクして適切な車速に調整したり、経由地の天気予報やイベント情報から渋滞予測をして事前に迂回したり、色々な情報が合わさる事で可能性は無限に広がります。
籔内さん そう。IoTの基本的な考え方は「モノとモノをインターネットでつないでデータをやり取りすれば、もっと便利に、もっと楽しくいろんなことができるんじゃないか」というもの。要は「集めたデータをどう使うか」というアウトプットに当たる部分で、活用方法が無限にあるだけに夢があって、非常に開発しがいのある分野なんですよ。
片山さん ただ、実状としてはまだまだ有効に使いこなせているとは言えません。業界を見渡しても、どのIoTのソフトベンダーも、なかなか成功と言える事例は少ない状況です。
籔内さん IoTでは「どういうデータを使って、何をするか」から考える必要がありますからね…。創造性が求められる一方、社会やお客様のニーズを読み取ることが重要です。
籔内さん 複数のプロジェクトが進行中です。私たちの部署ではNTTデータのビッグデータビジネス推進室と協働で取り組みを展開していましたが、単体でも活動を始めました。その代表的な案件としては、産業機械の“故障予測”があります。
片山さん これは、産業機械の各部品に取り付けたセンサーから摩耗などの状況を検知して、故障や不具合が起きてしまう前にメンテナンスを促すシステムのこと。故障により生産ラインが止まるような事態を予防できるので、計画的な生産に貢献できます。
籔内さん ただ、「故障を予防する」というのは新しい概念なので、メーカーでも「故障予測にコストをかける」という意識がまだ希薄な状態です。まずはお試しで体験できるサンプルの作成などを進め、利便性と実用性を訴求していこうとしています。
片山さん まだ発展途上とはいえ、IoTは将来性が大きい分野です。私たちも、ゆくゆくはIoT分野でより多くのアイデアを基に、お客様に独創的なソリューションを提案できる存在を目指したいと思っています。社会のニーズを探りながら、「データはたくさんあるけど、有効的な使い方が分からない」とお悩みのお客様に、「こういうこともできますよ」と多彩な提案を展開していけるようになりたいですね。
籔内さん 先ほども話したように、IoTはデータの収集・分析技術があってこその技術です。NTTデータCCSはずっと分析技術を蓄えてきましたから、その技術をIoTの分野で活かせば、きっと新しいものがつくれるはず。まだ主流となるソリューションも生まれていない状態なので、いろいろ試しながら、世の中を楽しく、便利にするものを作っていきたいです。