ニーズに見合った適切なRPA化の実現
Vol.2

ニーズに見合った適切なRPA化の実現

現在、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)という技術が注目を集めています。
これはPCの中にソフトウェア型のロボットを導入し、業務を代行・自動化することでデスクワークの効率化を図るシステムを指しますが、一口にRPA導入と言っても、そのありようは一律でありません。 そこで、NTTデータCCSでは、適切なパッケージの選択からカスタマイズ、実装までをお客様のニーズを汲み取りながら進めています。今回は、その一例をご紹介します。

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畠山さん

エネルギー・資源ソリューション事業本部
金属システム事業部 システム運用部
部長(当時)

畠山 実

Minoru Hatakeyama

蓑田さん

エネルギー・資源ソリューション事業本部
金属システム事業部 システム運用部
課長(当時)

蓑田 尚雄

Hisao Minoda

越智さん

エネルギー・資源ソリューション事業本部
金属システム事業部 システム運用部
主任(当時)

越智 まどか

Madoka Ochi

お話を伺ったエネルギー・資源ソリューション事業本部のみなさん

お話を伺ったエネルギー・資源ソリューション事業本部のみなさん

まずは「何ができるのか」からのスタート

お客様からRPA導入のご相談があったのは、2018年6月頃のこと。「多様な働き方実現」や「個人の成長支援」「労働時間の適正化」を指針に掲げ、AIやIoTの活用により業務改善を進めてきたお客様は、新たにRPAの導入によるデスクワークの効率化を検討されていたのです。NTTデータCCSは、NTTデータが開発した「WinActor」というRPAツールを導入し、定常業務を自動化していた実績を生かして、対応に当たりました。


「もちろん、お客様が代替させたい業務内容や重視する特性、使用環境によって求める機能が異なるので、ありもののツールを提案するだけでは役に立ちません。お客様のケースでは、まず『どういうものが自動化できるのか』を確認するために、「WinActor」のトライアル版をご利用いただき、Excelのデータを別のExcelに移したり、Webのデータを加工してExcelのデータに反映したりといった単純な作業を自動化しました」と越智さん。


RPAの導入には、人間が処理している作業を手順書にまとめ、“シナリオ”としてロボットの作業に落とし込む必要があります。しかし、作業マニュアルが存在しないものも多かったため、プロジェクトでは、“ヒアリング”によるシナリオ作成を推進したそうです。これは、実際に作業を進める過程を見せてもらって、状況に応じた適切な処理のために作業パターンを細かく分岐させるという作業で、「一番時間を要したのは、このヒアリング作業ですね」と越智さんは振り返ります。

RPA導入の流れ

業務自動化の実績を買われて

自動化した作業の評価を経て、お客様でRPAの本格導入が決定。しかし、管理サーバーでロボットを一括管理できるという利点から、導入するRPAツールには「WinActor」ではなく、「Automation Anywhere」(オートメーション・エニウェア)が選ばれることになりました。


WinActorとAutomation Anywhereの比較

  WinActor AUTOMATION ANYWHERE
ロボットの管理 1台ごとにライセンスを取得し、PCで作動させる サーバーで一括管理
機能の特性 画像判別などに強い 項目など認識
利点 ・日本語なのでカスタマイズしやすい
・システムに詳しくない人でも扱いやすい
・海外製品なので英語
・どちらかといえばプロ仕様

「Automation Anywhere」のカスタマイズおよび導入は他社のベンダーが手がけることになりましたが、NTTデータCCSは引き続き、作業のシナリオ作成と運用を受注。2019年1月から8月末時点で10業務の自動化と、エラー対応等のシステム運用を担当しています。

RPAで自動化した業務 今後自動化を予定している業務
  • 会議スケジュール登録
  • 役員車予定表作成
  • 振替伝票作成
  • 訃報情報メール送信
  • 予算実績一覧表作成
  • 社員名簿作成
  • 海外旅行保険付保リスト作成
  • 台帳保存 等々
  • 行事用「名刺」作成
  • 異動情報の掲示板掲示
  • 給与明細印刷
  • 安否確認システム登録
  • IDカード申請
  • 納期・工程進捗提出依頼
  • マスター登録業務
  • OCRを利用した業務の自動化 等々

「まずはスモールスタートとして、人事・総務、経理・財務で50業務の自動化の要望が寄せられており、現在、その実現を進めている段階です。さらに、RPAの有用性がお客様の社内で認知され、うれしいことに他部門の業務の自動化も検討いただいています。私たちも、二人三脚の体制でお客様の業務効率化をサポートしていきます」と蓑田さんは今後の展望を語ってくださいました。


また、畠山さんは、「作業の自動化で終わらず、その内容を残しておくことも、運用者の重要な責務」と話します。「作業をロボットが担うようになって時が経つと、その作業の工程や注意点がブラックボックス化してしまうことが予想されます。RPAを導入した時点で作成したシナリオを保管しておくことは、作業工程のブラックボックス化を防ぐ上で不可欠です。」


「間接部門の業務にとどまらず、営業事務の効率化など、RPAの可能性は依然として広がり続けています。そのなかで生まれたニーズを汲み取り、お客様の要望に沿いながら実現していく——。それがRPAにおける、NTTデータCCSの開発のあり方です。パートナーとして最適な導入・運用を提案していきますので、お困りごとがあればお気軽にお寄せください。」
そう話す3人の目には、確かな自信があふれていました。

そう話す3人の目には、確かな自信があふれていました。