定常・定型業務を効率化させる上で効果的な方法は?
Vol.5

定常・定型業務を効率化させる上で効果的な方法は?

answer
RPA※ツールの一つ、WinActorを使えば、PC操作での業務を効率化できます。

働き方改革に代表されるように、さまざまなビジネスシーンでの業務改善・業務効率化が求められています。そうした世情において期待されているソリューションの一つが、AIやロボットを活用した業務改善です。中でもロボットを活用した「RPA」に注目が集まっています。今回はNTTデータグループが開発したRPAツール「WinActor」の営業に携わっている、社会・科学システム事業部 営業部の富田さんにお話をお聞きしました。

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富田さん

ビジネスソリューション事業本部
社会・科学システム事業部
営業部(当時)

富田 亮司

Ryoji Tomita

question
そもそもRPAって何ですか?
answer
デスクワークにおけるPC操作を自動化するツールです。

富田 働き方改革の推進や労働人口不足といった昨今の社会情勢を背景に、現在注目を集めているのがRPA(Robotic Process Automation)ツールの導入による定型業務の効率化です。
「WinActor」はNTTデータグループにて10年ほど前に開発されたRPA製品であり、Windows上で実施している業務を自動化するツールです。
具体的にはExcelやブラウザ、個別の業務システムなど、Windows端末から操作可能なあらゆるアプリケーションへの操作手順をシナリオとして学習し、そのシナリオを自動実行してくれるソフトウエア型のロボットです。

WinActorの導入前、導入後
question
WinActorの強みって?
answer
最大の強みはPC一台からでも導入できる点です。

富田 システム開発者のような高度なIT知識やプログラミング開発経験がなくても利用できる点や、純国産のため完全日本語対応である点など、WinActorが有する強みは多数あります。しかし、同様のRPAツールは競合他社でも製品化されているのが現状。
その中にあって、WinActorが独自に持つ優位性は、小規模な導入が可能であることです。他社製品の多くはサーバー型として構成され、中規模・大規模構成で利用することが一般的ですが、WinActorは会社単位の導入だけでなく、部門単位・個人単位でも利用いただけるため、ご要望に合わせた幅広い展開が可能となります。

導入前に
考えておくべきポイントが
二つあります

富田さん
question
導入する前に考えておくべきポイントは?
answer
「いかに業務を整理するか」と「いかに作業のボリューム(規模感)を出すか」です。

富田 WinActorを導入すれば多岐にわたる業務を自動化できるのは確かですが、導入前に考えておくべきポイントが二つあります。 一つ目は業務の整理(棚卸し)です。導入効果を得られやすいのは、定常的かつ定型的な、例えば外部に委託することが可能な事務的な作業です。セキュリティレベルが高くない仕事などが自動化に適しています。
一方で専門性の高い知識や経験が必要だったり、その都度判断が求められるものには不向きです。そのため、導入にあたって自動化に適した仕事なのかを判断する必要があります。もちろん検討の際には当社もアドバイスをさせていただいています。
二つ目は作業のボリューム(規模感)です。例えば見積書作成を自動化させる場合、年に数回しか発行しない程度のボリュームだと、自動化しても費用対効果は見込めません。年次、月次に数回よりも、週次・日次で実施頻度が高い作業や、日に数時間かかるような作業量の業務であれば、大幅な作業時間の削減が見込めます。

富田さん

「WinActor」の導入には
サポートが必要であると
感じています

question
実際の導入までにNTTデータCCSはどんなサポートをしてくれるの?
answer
使い方のレクチャーはもちろん、適用業務の検討や管理・運用ルールの整備のお手伝いなど、しっかりとバックアップいたします。

富田 現在、私が担当するお客様は本格導入に向けてPoC※2を進めています。これまでのやり取りを振り返ってみると、「WinActor」の導入にはそれなりの準備とサポートが必要であると感じています。
特にサポートが必要だと感じているのはシナリオ作成です。シナリオは人ではなくロボットが実行するので、作業内容を細分化してロジカルに組み立てて指示しなければなりません。最初にどのアプリケーションを立ち上げて、その後どのボタンを押して、どういった操作をさせて、そしてどういう形で保存して、最終的にどこの誰に報告するのか――人が無意識の内に済ませている作業まで、徹底的にブレイクダウンして組み立て直していきます。
前述の業務の洗い出しと整理、そしてシナリオ作成にお客様がお困りになるケースは少なくありません。そうした際にどういう観点で業務を洗い出すのか、どういうフローでシナリオを作成し実行させていくのかを、私たちNTTデータCCSが一緒に考えて最適なソリューションにつながるようにフォローしています。

シナリオ作成の流れ
question
今後の展望をお願いします。
answer
ノウハウを蓄積し適用範囲を広げつつ、NTTデータグループのソリューションと連携した効果的なソリューションを実現していきたい!

富田 現時点ではWinActorの導入領域は人事や経理領域が中心です。しかし実際は、お取り引きしているお客様から営業支援や販売管理領域で展開したいというニーズも挙がっています。また、これまで当社では製造業が主なターゲット業界でしたが、旅行業界や医療業界など多様な業界からのお問い合わせも増えてきています。
そうしたチャンスを取りこぼさないよう今後も導入実績を積み重ねていくことが必要だと考えています。そして、SI企業であるNTTデータグループならではの強みを活かして、既存の製品と連携した複合的なソリューションを実現していきたいですね。


キーワード
RPA

Robotic Process Automationの略で、ルールエンジン・機械学習・人工知能などを活用し、ホワイトカラー業務を効率化・自動化する仕組みのこと。仮想知的労働者(Digital Labor)とも呼ばれる。

PoC

Proof of Conceptの略で、日本語では「概念実証」と訳されている。本格導入の前に効果やメリットなどを技術的な観点から検証する工程を指す。